コラム「人と経営」
令和時代を占う No.2
1.節目の30年
令和が始まり7ヶ月が過ぎ、世界経済は混沌としている。ここ数年の世界の政治状況や経済環境も目まぐるしく変化し、来年度の正確な予想も難しいと思われる。
30年を振り返ると、平成7年、Windows95が発売されワークスタイルは一変した。そして、平成20年、iPhone3GSがアップルより提供されてスマートフォン時代が幕開けする。
現在のライフスタイルや企業の販売戦略・販売方法も30年前と比べると大きく変わった。30年後の2050年、日本の人口は1億人を切る。企業の継続性や持続可能な社会の実現に向けてのビジョンが、より求められる時代になる。
2.5Gが未来を変える
5G(第5世代通信規格)の商用サービスが令和2年3月に始まる。現在の4Gと比べると20倍高速で大容量のデータがストレス(遅延)無く、同時に多くの機器と接続が可能になる。
ただ、通信速度が速くなった程度の進化ではなく、5Gの経済効果は50兆円と言われており、あらゆる産業に波及する。しかし、実際にビジネスや生活への浸透は2~4年くらい先になる。
ドコモを初め通信キャリアの基地局整備には数千億円の費用と人的な投資が必要で、人口カバー率が90%を越えるには数年かかる。
3.デジタル社会への突入
2004年にスウェーデンのウメオ大学のエリック・ストルターマン教授が提唱した概念が、デジタルトランスフォーメーション(Digital transformation:略称DX)だ。
経済産業省は、DXのことを「企業は、既存のビジネスから脱却して、新しいデジタル技術を活用することによって、新たな価値を生み出していくことが求められている」と警鐘を鳴らす。
あらゆるものが繋がり、デジタル化が進むと交通、医療、通信、教育、流通、生産、金融全てが変革する。仕事の仕方や生活も大きく変化する。企業は変革を進め働く人たちの意識を変えないと大きく後退する。