コラム「人と経営」
IoTが世界を変える
1.新たな技術が実用化
自動運転やドローン、ロボットなどの研究が進み、実用化されているものも含めマスコミを賑わしているが、一番身近な進化としては、IoT(Internet of Things)が話題になっている。
IoTは、モノ(機械)に通信機能が付きインターネットと接続されることで自動制御や自動認識、計測を行う。医療機器や建設機械の稼働状況をリアルタイムに把握し、既にメンテナンスに活かしている。
IoTはモノが発する多くのデータを収集し、それを分析したり加工して製品を改善したり新製品を開発する。または、人が収集していた情報をIoTで自動化し集計するなど大きくビジネスの現場が変わる。
2.インダストリー4.0
そこには、ビックデータを分析加工する技術とそのバックボーンになるクラウドで築くデータベースが必要になる。しかし、それはIT企業で無ければハードルが高いのも事実だ。
メーカーは製造機械にセンサーを付け通信機能が有れば、人を配置しなくとも生産状況がわかる。これがインターネットに繋がることにより、工場から離れた本社や協力工場でも逐一確認出来る。
これが、ドイツで始まったインダストリー4.0と呼ばれる概念と実験。
多くの製造企業がネットで繋がり、世界的な競争力をつける国家戦略の一つでも有る。
3.中小企業でも実現可能なIoT
1990年代から2000年代にかけて、ユビキタスコンピューティングと言う
概念が一時もてはやされた。小指位の小さなコンピュータ(メモリーとCPUを持った)が商品や箱、壁などに埋め込まれ、相互に繋がり識別する。
例えば、薬のビンに張られることで飲み合わせ警告は発したり、スーパーの商品に張り付けるとレジでバーコードを読み取らずとも瞬時に全体計算出来るなど近未来を予測したが、未だ実現出来ていない。
しかし、某クラウドサービスのNo.1企業がビッグデータの活用を含めたハードとソフトを企業に提供するサービスを始めた。そのことにより、IoTを活用することは、中小企業でも可能になってきた。
コンピュータでは無く、センサーと通信機能を埋め込み、それをインターネットを介して読み込めば後はクラウドが処理をしてくれる。これがユビキタスとIoTとの大きな違いだろう。