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デフレの正体

column

コラム「人と経営」

デフレの正体

1.デフレの原因

人口問題をベースに藻谷氏が書き下ろした書籍名「デフレの正体」が数年前に書店に並び、ビジネス書としてヒットした。日本の生産年齢人口の減少と高齢化が、デフレの大きな要因であるとの趣旨だ。

先日、経済評論家と名乗るビジネス書で売れっ子のM氏を講演会に招いた。彼のメールマガジンは、27,000部とファンが存在する。マスコミが論じるテーマを真っ向から批判する。週刊誌の記事のように軽い。

さて、M氏が述べるデフレの正体は、結局バブル崩壊とその政府対応の失敗が原因だと言い切る。確かに、それまではバブル景気で土地も賃金も株価も上がり、ニューヨークのビルを買う会社がもてはやされた。

2.デフレの正体

今、中国の資産バブルが続いている。中国企業はGDP世界2位を背景に、日本や米国の優良企業や部門を買収している。何れそのバブルが崩壊するだろう。そしてデフレが到来し、不景気に突入するのか。

そんな景気後退のパターンが予測される。実需の無い資産価値の上昇は、マネー資本主義が陥った構図。マネーがマネーを産む。そこには何も本来の価値を生まないが、バブル崩壊の引き金にはなり得る。

某大学のファイナンス研究所顧問のN氏は、日本のデフレを「工業製品の価格下落は、新興工業国の工業化によって引き起こされた」。リーマンショック後、製品でな無く、反対にサービス価格は値上がりしている。

3.デフレの次は

デフレの原因を一つの理論で片付けることは出来ない。新興工業国の成長やグローバルの要因。日本の人口問題。資産価格の下落etc・・・。
バブルが続いていたら、日本の製品やサービスは世界を駆逐したのか。

新しい価値を提供し続けることが出来たのか、または製品価格を10分の1に成し得たか。どちらもNoと言わざるを得ない。日本の国家も代表的な企業も利益を享受する仕掛けや仕組み、戦略を持たなかった。

真面目にコツコツと物作りをする日本人の強みは、デフレ時代には我慢と言う行動でしか表現をすることができなかった。エコノミストのM氏は、超低金利時代を続け世界に類を見ない日本。

利潤の出ない資本主義を先行する日本。そしてその傾向と呼べる日本化が先進諸国に伝播すると予言する。解決策は有るのか次号で検討したい。

(Written by 川下行三 14/06/06)
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