コラム「人と経営」
100円革命
1.100円で7億杯、コンビニカフェ
日経トレンディ2013年ヒット商品ベスト1位にコンビニコーヒーが輝く。
その大半を100円で年間4億5千杯を売る数字をたたき出すセブンイレブンのセブンカフェ。
今夏品切れの店が続出するほど人気を博した。
セブンイレブンのレジカウンターの端に設置されたコーヒーマシーン。
レギュラーサイズ100円、ラージサイズ150円のコーヒーで全店の売上げが500億円に迫る。
爆発的なヒット商品を生み出すのに3年を費やした。
コーヒーの機械メーカー、豆の仕入れ・焙煎業者とコラボ。日本人が好むコーヒーを徹底的に追求、メンテナンスを楽に出来る方法を開発、先に販売をしていたコンビニチェーンをあっと言う間に抜き去った。
2.100円SHOP誕生
100円と言えば、ダイソーが有名だ。日本独自の発展を遂げた100円SHOPが、今グローバルに展開しつつある。日本国内に2,750店舗、海外25カ国、700店舗を展開、3,500億円以上の売上げを占める程になった。
高度成長期に急成長した量販店、いわゆるスーパーの軒先を借りて雑貨物を展示販売する業者だった矢野商店からスタート。バブル崩壊の後、100円SHOPの業態を確立し、大創産業として大きく飛躍した。
今では取り扱い商品が7万アイテムを超え、毎月新商品が1000アイテム増えている。隠れたヒット商品も多い。各店で毎日コンスタントに1個売れる商品の1年累計が100万個になる。ここにコストダウンの秘訣がある。
3.米国でのダラーストア
日本の100円SHOPとは違う発展を続けているアメリカの1ドルストア(ダラーストアー)。市場規模が日本の数倍有り、最大手のダラーゼネラルは、4半期(3ヶ月間)で4,000円億円を超える売上げにまで成長した。
世界最大の小売業、ウォルマートを凌駕するとまで言われる。まだ規模では40分の1程度だが、ウォルマートの対象顧客と重なる。1ドルストアの原点は5セントストアでウォルマートも、このFCから起業した。
ダイソーもダラーゼネラルも、ただ安いだけではない品揃えと商品開発力を持ち、常に売り場に驚きと経済性を提供している。本格的なコーヒーを100円で提供したセブンイレブン、ここにヒットの秘密が隠れている。