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新しいビジネスモデル No.2

column

コラム「人と経営」

新しいビジネスモデル No.2

1.ビジネス上の強み

LCC(格安航空会社)代表格のサウスウエスト航空のビジネスモデルについて触れたい。
1971年の運行開始で40年の歴史がある老舗の航空会社であるが、当初から「運賃が安く、定時に運行し、便数が多い」を基本戦略に掲げていた。

大手航空会社は、当時「ハブ・アンド・スポーク型」と言われる路線網を持ち(例えばユナイテッド航空はシカゴを拠点に)、一方、サウスウエスト航空は、「ポイント・トゥ・ポイント型」即ち、都市間を結ぶ。

航空機は、ボーイング737型(122-137の座席数)に統一し近距離路線を運航する。駐機時間を最高10数分まで短縮し、定時発着により顧客満足と生産性を高めた。世界のLCCが同社のビジネスモデルを手本とした。

2.従業員満足を第一に考えろ

経営理念や経営方針に顧客満足を謳っている企業が多いが、サウスウエスト航空は「顧客満足」よりも、「従業員満足」を優先する。従業員が満足してこそ、顧客に最高の満足を提供することが出来る。

企業文化を表す基本理念に、「いちばん大切なのは従業員だ」「仕事を楽しもう」「ありのままの自分でいよう」「ざっくばらんで行こう」など11箇条あり、人に優しい項目が多い。経営理念は何と「愛」である。

従業員の採用に関しても大変ユニークだ。採用ポリシーは、「ユーモアセンスがあり、いつも相手の立場にたてる人、組織の中で協調できる人」専門性が高くとも、周りを楽しませることの出来ない人は採用しない。

3.企業文化が会社の本質を語る

「自分たちが一緒に働きたい仲間を採用する」。サウスウエスト航空は能力よりも資質を見る。
同社に似た考えの企業に、最近、アマゾン傘下に入り成長を続けるザッポス社がある。

ザッポス社は靴のネット通販最大手で、独自の企業文化を持つ。採用では、業務経験や専門能力などを面接時に確認するが、自社の企業文化にフィットするかを一番重視する。

同社は採用後4週間の研修プログラム中、研修者全員に、今辞める人には2,000ドル賃金とは別に支給する。企業文化やビジョンに共鳴出来る人のみと一緒に働きたいという意志を強烈に現している制度だ。

ビジネスモデルの優劣は、仕組みよりも真似しにくい理念や企業文化なのかも知れない。

(Written by 川下行三 12/03/22)
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