コラム「人と経営」
アジアの世紀 No.1
1.北朝鮮がアジアを揺り動かす
金 正日総書記が17日急逝し、世界を震撼させた。韓国経済に陰りが見える中で、北朝鮮の安定は死守しなければならない。隣国の中国も我が国も、そして米国にとっても。
企業でも事業承継は数年を要する。民主主義国家で親子での承継は考えられないが、指名された北朝鮮の後継者、三男の正恩氏にとっては、国の舵取りは荷が重い。
北朝鮮の武力侵攻や崩壊は最悪のシナリオであるが、その可能性も2~3年のリスクとして認識すべきだろう。ソウルが火の海になるか、ミサイルが日本列島に着弾するかも知れない。
2.世界経済の足を引っ張る欧州の失速
欧州の銀行が危ない。ギリシャに端を発した欧州危機は深刻さを増している。ギリシャやイタリアの国債を大量に保有している欧州の銀行は、破綻が現実のものとなりうる。
数年前、欧州の基軸通貨、ユーロはドルに変わる勢いを保っていた。
EUの実験は成功したように思えた。欧州の国々がEUにこぞって加盟し、ユーロを自国通貨として導入した。
中国の元を除けば、あらゆる通貨は変動相場制の中で運用されている。
自国の経済が落ち込めば、通貨安になり輸出上のメリットを享受出来る。
ユーロ圏の国々は、その恩恵を受けられない。
3.アジア経済が世界の牽引役
中国、インドが大きく伸びている。タイ、ベトナム、マレーシアなども堅実に経済成長をしている。
アジアは世界の投資先であり、電気、電子、自動車他の主要製品の生産国としても大きな地位を占めて行く。
ミャンマーやバングラデシュが注目されている。ミャンマーは民主化が少しずつ進み、多くの人口と労働賃金の安さが魅力である。既に中国の企業が投資を進めてきた。今、欧米の投資家が進出を目論んでいる。
アジア最貧国と言う嬉しくない呼称を与えられているバングラデシュも繊維産業を中心にグローバル企業が進出。政府の統治能力の弱さがリスクではあるが、1億5千万人に上る人口を抱え、成長余力は大きい。