コラム「人と経営」
手の中の未来 No.1
1.スマートフォンの進撃
iPhone に代表されるスマートフォンの普及が本格的に始まった。某地下鉄の車両。
前に座った若者が胸元からiPhoneを取り出し、右手の人差し指で画面をタッチ、両隣の女性も同じ動きを始める。
10数年前、電車の中で携帯電話で会話をするものが現れ、2000年に入ってからは、携帯電話を耳にあてるのではなく、ひたすら液晶画面に親指操作でメールを打つ人々が見られるようになった。
今や、通勤電車は携帯電話片手に、耳にイヤホンをつっこみ黙々と画面とにらめっこする連中に支配されている。しかし、同じ光景でも、スマートフォンは世界と手元で繋がっている。
手の中のインターネットだ。
2.シリコンバレーの底力
シリコンバレーは次々と新たな技術や世界を描き続けている。パソコン、iPod、iPhone、iPadなどの新たな世界を提案するアップル、検索技術を武器に、飛躍するgoogle。
未だにパソコンの心臓部を掴むインテル。
この間ITバブルが弾け大きな打撃をシリコンバレーの企業は受けたが、新しい技術で乗り越えてきた。ITベンチャーからバイオ企業、そしてテスラモーターズに代表される電気自動車など拡がりを見せている。
ブログやSNS、そしてツイッターへ。これらの潮流を作ったのもシリコンバレーのベンチャーだ。
この間、日本の企業は、コストダウンと品質を高めることに力を注ぎ、世界への発信に遅れをとった。
3.世界と繋がる手の中の未来
インターネットは元々、ワールドワイドで、網の目のように張り巡らされた世界。
ホームページは誰もが発信できるツールでは有ったが、HTMLと言う言語に歩みを止められていた。
しかし、ブログがその世界をこじ開け、そしてツイッターがリアルタイにあらゆる人と繋がることを実感できる。もっと簡単に個人が世界への発信を始めた世紀だ。
「2001年、宇宙の旅」と言う映画が有る。その続編が「2010年」。大きな衝撃を与えたが、今、それを超えようとしている。ツイッターやスマートフォンが「手の中の未来」を感じさせてくれる。