コラム「人と経営」
不安の時代に立ち向かう No.2
1.不安からうつの時代へ
うつ病の潜在的人口は600万人とも700万人とも言われている。実際に治療を受けているのは、その10%だと推測される。米国はその2倍から3倍のうつ病患者がいる。
しかし、ファイザー製薬がこの4月に発表した「一般生活者における潜在的うつ病の実態調査」によると、一般生活者の12%、約 8人に 1人がうつ病・うつ状態であると報告されている。
初期のうつ病は、早期の治療(投薬など)により改善したり治る確率が高いが、実際には病院への不信感などにより、受診せずに症状を悪化させている。
2.患者を抱える企業
多くの従業員を抱える大企業や自治体などの役所では、うつ病患者を抱え人事部は、メンタルヘルスへの対応を迫られている。その背景に、成果主義人事、仕事量の増加、多様な雇用形態の中での人間関係・・・。
ストレスが溜まる環境がある。職場仲間も表面上の付き合いしかしない。
世代間ギャップが存在し、本音を語り合う場がない。無味乾燥な職場では患者は増え続ける。
企業はメンタルヘルスの担当者を置き、カウンセラーを常駐させる。しかし、問題の本質は改善されていない。
3.解決策は自然体で
仕事と家庭や生活は今や分断されている。その人間関係も職場の仲間は家族とは距離を置く。仕事を家庭に持ち込まないという意味ではいいかも知れないが、コミュニケーションは仕事の中でのみ成立する。
日本人は元々勤勉で、真面目な性格の人が多い。この性格的な特徴が、高品質なモノづくりを実現した。時間に正確で集団は規律を守る。うつ病や神経症的な気質を持ち合わせている。
心のゆとりを、どこかで持たなければならない。生活の中に「あそび」を取り込む。あくせくしない。時間に追われない。なるがままになる。
人生80年70万時間。その内、仕事の時間(38-40年間)は僅か8万時間しかない。楽しみを仕事にも、生活にも。