コラム「人と経営」
家族の崩壊が何を意味するか No.2
1.Wiiは家族を取り込んだ
任天堂Wiiの対象は今までのゲーム利用者(10代)ではない。ファミリー層だ。大人同士、大人と子供達(小学生の低学年なども含めた)が一緒に楽しめる。今までゲームをしなかった人々を攻略した功績は大きい。
この変化はDSを市場に投入した数年前から始まる。タッチペンでの入力やマイク(音声認識)などがDSに搭載され、ゲームマニアだけでなく誰でもが使えるよう設計がなされた。
そして、そのソフト「脳を鍛える大人のDSトレーニング」は大爆発をし脳トレブームを巻き起こす。大人、家族を虜にした。点を競う、脳年令を競う、それを家族で共有する。その仕掛けが勝利した。
2.任天堂はカード、ゲームの歴史
任天堂の歴史は古く、明治時代に京都で花札をつくっていた。日本で始めてトランプを製造したのも任天堂である。トランプは場所を問わず数人で楽しめた。テレビが登場するまでは、家族の一時を演出した。
1983年に登場したファミコンはゲーム市場を開拓。若者が夢中になった。
テレビは送られてきた映像を見る専用モニターであったが、その他のことも出来るという事をゲームは教えてくれた。
日本が海外に誇れる文化は漫画とゲームだ。nintendoは、その家庭用ゲームの海外での代名詞になった。ゲーム=nintendo。DSやWiiは家族を虜にしたゲームとして新たな一歩を踏み出した。
3.あなたの家族はどんなチーム
現代社会でチームと称する最小単位が家族だ。その家族が一つの事を一緒にしない。協同作業を行わない。個室のテレビ、パソコン、携帯電話、個食が家族をバラバラにして行く。
同居しているが心は離れている。病んだ家族が何と多いことか。Wiiがそんな家族を助けてはくれる訳ではない。しかし、家族の仲を取り持ってくれる。遊びは心を自由にする。共に喜び、共に感じ、共に汗をかく。
人生の主人公は私、家族は共演者なのだという事を気づかせてくれる。
どれだけの時間を家族で過ごしたか。子供は20代後半で巣立つ。僅か20数年のチームが家族である。後悔しないようにしたい。