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工場はどこへ

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コラム「人と経営」

工場はどこへ

1.オープンファクトリー

NHK朝ドラ「舞いあがれ!」で来場者が工場を見学できる「オープンファクトリー」を取り上げた。素晴らしい技術が詰まった東大阪の町工場が舞台になっている。

「オープンファクトリー」は、ものづくりの産業集積がある地域の企業が参画し、参加者が町工場の中に入り、製造現場の職人から製品や技術の説明を受け、参加者にものづくりを体験してもらう取り組み。

参加者の交流が生まれ、参加者からの新たな取引にもつながる。または参加企業も採用活動のアピールや、自社の社員教育プログラムとして活用したり工場同士の横の連携といった効果がある。

2.町工場の現状

地域ぐるみで工場を一般公開する取り組みの「オープンファクトリー」。2012年2月、東京の大田区の町工場が「おおたオープンファクトリー」を国内では初めて展開。現在では東大阪をはじめ全国に広まっている。

全国の企業数から見ると10数万件の開業に対して、廃業及び倒産数はその半数と少ない。しかし、工場が集積している大田区などの製造業の事業所数は1970年代、1980年代から比べると半数になっている。

戦後まもなく創業し50年以上の歴史がある企業が多く、経営者も2代目3代目となっている。ほとんどの企業は大企業の下請けとして生産・加工・組立を主な事業としている。

3.ものづくり企業のこれから

町工場は国内での製造が中心で、生産設備を自社で持ち、自社の技術者や熟練の職人を雇用し生産している。そして、ある程度の規模になると海外生産している企業が増える。

ビジネスモデルとしては大企業の下請けとして垂直統合型の一番下部の部分を支えている企業群だが、技術レベルは高い。「仲間回し」と言う地域の町工場が連携して取り組む例もあるが、価格決定権は無い。

自社製品を開発し価格決定権を持つ、他社に無い加工技術により価格決定権を持つ、または生産設備を持たず研究開発や企画・設計に集中し、外部に生産を委託するファブレス企業など、生き方は多々ある。

若者が就職し将来を託せる小さな工場が増えることを期待したい。

(Written by 川下行三 23/03/25)
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