コラム「人と経営」
あなたの健康、幸福、ウェルビーイング
1.ウェルビーイングとは
世界保健機関(WHO)はウェルビーイング(well-being)を肉体的にも精神的にも社会的にも、すべてが満たされた状態(well-being)にある。心身の健康だけでなく幸福であるとか、いきいきしていると状況も含む。
専門家によると、ウェルビーイング(心身の健康や幸福)を高めることは従業員だけでなく、企業にとっても良い状態を維持することが出来る。生産性が高まり、付加価値を押し上げ企業経営の向上に寄与する。
経済産業省が推奨する健康経営は、「従業員への健康投資が活力向上や生産性の向上、結果的に企業の業績向上につながる」。ウェルビーイングは、従業員の心身の健康だけでなく、社会的な充足も重視する。
2.ウェルビーイング経営
ウェルビーイング経営は従業員の身体的、精神的、そして社会的な幸福を追求する経営手法。職場環境を整えて従業員が健康で、いきいきと働けるようにすることを目指す。
最終目標は、単に従業員の幸福な状態にあることではなく、その結果として生産性が向上し企業が発展する。そして、さらに社員が働きやすい職場環境を構築し良い循環を生み出す。
2023年の某調査によるとウェルビーイング経営に積極的に取り組む企業は、3年前と比較し営業利益は平均約13%、売上高は11%上昇し、取り組んでいない企業と比較すると約2倍の差があった。
3.ウェルビーイング経営事例
ウエルビーイング経営に取り組む大企業では、定期健康診断の結果をデータで可視化する。専用アプリや健康状態を管理できるサイトを開発し運用。カフェやジムの設置、就業後に運動できるスポーツ空間を提供。
他に、短時間で受講できる健康レッスンの開催、お昼の休憩時間にウォーキングの実施。ラジオ体操の実施。定期的な運動推進セミナーの開催、現場に健康リーダーを配置。全員面談・個別メンタルサポートの実施。
ある中小企業は、従業員のメンタルヘルスケアに重点を置き、定期的なカウンセリングやストレス管理プログラムを導入。結果、従業員の生産性が向上し、離職率も大幅に低下した。