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EUの憂鬱 No.1

column

コラム「人と経営」

EUの憂鬱 No.1

1.EUの歴史

欧州統合の歴史は古い。1957年のローマ条約で欧州経済共同体が設立された。1967年に他の欧州団体2つと統合しECとして発展して行く。
単一市場の設立から通貨統合、人、物、サービスの域内移動の自由化を経て欧州共同体へと進んだ。

英国、ドイツ、フランスなどの国々を中心に28ヶ国が加盟する。EUの壮大な実験が始まり数十年、加盟国が増える中で様々な問題が噴出する。
ヨーロッパを一つの国として見立てた壮大な実験は、まだ途上だ。

2.ドイツがリーダーになれるか

EUの大きな問題は、経済と移民に集約される。EUを牽引してきたフランス・ドイツ。そのフランスが経済の低迷でドイツがリーダとしてEUを引っ張って行かざるをえない状況になりつつある。

ドイツ国内には、ギリシャを始めイタリア、スペイン、他の中欧諸国の負債を好調なドイツが面倒見ることに反対が多い。しかし、EUに収まることでドイツ経済は統一通貨ユーロのメリットを享受出来る。

メルケル首相が、右傾化するドイツの政党やEUに対する否定的な意見を持つ国民を納得させEUをどう進化させるかにかかる。

3.移民問題は先進国を悩ませる

EU圏内は、人、商品、サービスの自由な移動を保障する。1997年に締結されたEU圏内での国境検査を廃止するシェンゲン協定以降、移民労働者が、ドイツやフランス、英国に押し寄せた。

特に、英国には多くのポーランド人が移り住み、最近ではルーマニアやブルガリアなどもからも増加傾向にある。安価な労働力を確保出来る一方、社会保障費の増加、治安の問題など悩ましい。

EUが夢の統一国家の成立を掲げて長い年月が過ぎた。国家間の経済格差が拡がる。様々な制限を設けてEUを維持して来た。今後も険しい道のりがあるが、EUが無くなることはないだろう。

(Written by 川下行三 14/11/08)
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