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優しさを文化にしよう No.1

column

コラム「人と経営」

優しさを文化にしよう No.1

1.優しさを求めている現代

リリー・フランキーの「東京タワー」が今もってベストセラーの1位に登場する。発売後、10ヶ月を経過したがまだ売れている。著者の自伝的小説でサブタイトルの「オカンとボクと、時々、オトン」が内容を象徴している。

母親は無条件の愛を息子に与え続ける。息子はその愛に応えられない。
あるシングルマザーと読後感を話し合った。彼女はバカ息子を、母親の立場にたって非難する。しかし、母親の気持ちは違う。

バカな子どもだから可愛い。反対に完璧な子どもはいらない。親に気を遣い苦労をかけないのが親孝行だと思うのは文学的なセンスがない。母は子供に何かをして上げたい。ただそれだけなのだ。

2.無条件の愛が、優しさの基本

仏教をベースに開発された「内観法」という心理療法がある。各刑務所で受刑者達に「内観法」を取り入れ更正への道を開いてきた。部屋の隅、屏風に閉ざされた空間でひたすら両親について考える。

「していただいたこと」「してあげたこと」「迷惑をかけたこと」を1週間にわたって見調べ(自分の過去を調べる)をする。数日たつと発見する。親から受けたことは山ほどあるが、自分がして上げたことは殆どないことに。感動し涙がほほを伝う。感謝が芽生えると言う。

さて、親はどうだろう。子どもから何かをして欲しいのだろうか。動物は育ててもらった親に恩返しはしない。そして今度は自分が親となり子に愛情を注ぐ。子が育てば死ぬ親もいる。種はその繰り返しだ。

3.会社でも考え方は同じ

見返りを期待しないことが優しさの基本になる。顧客に対しても、社員に対しても。それで商売が成り立つのか?という疑問が湧く。

長野に本社を置く中堅企業がある。一度倒産の危機に会い、社長は商売のやり方を変えた。顧客の喜ぶことを実践する。利益は後からついてくる。ファンづくりが先だ。そのファンが次の顧客を紹介してくれる。

大阪にある食品会社は原価を上げることを考える。普通は原材料や仕入れのコスト削減に努めるが、この企業は反対だ。高い良い素材を使う。それが、反対に顧客の評価を高める。優しい企業の人気が高い。

(Written by 川下行三 06/04/30)
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